「愛着」の重要性①
赤ちゃんは、出生後、母親との相互作用を繰り返しながら、生後4ヵ月目くらいになると、母親を他の人と区別して反応するようになり、6ヵ月から8ヵ月にかけて、その傾向が特に強くなる。
母親に抱き上けると泣きやみ、母親以外の人に抱かれることを嫌うのである。
これは、子ともが母親との間に情愛的な結びつきを形成したからと考えられていて、心理学ではこの結びつきを「愛着」と呼んでいる。
「愛着」は、心の育ち、安定、積極性にとって大切である。
親を求める気持ちや行動が愛着であるが、心理的には、親と一緒にいて安心できて、ゆったりと人との交流を楽しめるということでもある。
安心が深まると、新しいことや変わったこともゆとりをもって受け入れられるようになって、人と楽しんだり悲しんだりすることができる。
「愛着」の重要性②
母親と赤ちゃんが育児・子育ての中で、互いに喜びを与えたり与えられたり、お互いに影響しあいながら成長していくのである。
乳児が、乳を吸う、しがみつく、泣き声、微笑などの愛着行動をとおして、母親からのふれあいや声掛けなどの母性行動を引き起こさせると考えられている。
この母子行動によって愛着がうまれ、この相互作用の機会が増えるとともに、関係はより親密になり、乳児にとって生まれて初めての人間関係を形成していく。
また、自らの発信が、母親の愛情のこもった適切な応答に結びついていくことは、乳児が自分に対する信頼感を獲得することにもつながっていく。
子どもが母親に対して信頼感を持ち、健全な「愛着」を形成することは、その後の子供の人格形成や対人関係の育成にとってたいへん重要となる。